葉酸の摂りすぎに注意
食品から葉酸を大量摂取した場合は、体内に蓄積する脂溶性ビタミンとは異なり、水溶性ビタミンですから、必要以上に摂取した量の大半は、尿と一緒に排出されます。
しかも、食品に含まれる葉酸は、水や熱に弱く、調理時には殆ど失われ、ほうれん草など葉酸の含有量が多い食品でも、体内に残る量は50%以下とされています。
このため、過剰摂取を気にしすぎる必要はありませんし、副作用のリスクは殆どないと言われています。
しかし、現在は、葉酸サプリメントが多数販売されており、体に良いからと言って、摂取目安量以上を服用して、葉酸の過剰摂取になって副作用のリスクもあると言われています。
このため、厚生労働省は、妊娠中の目標摂取量として食事以外にサプリメントで400µgの葉酸の摂取を推奨しており、過剰摂取量は1000µg以上と設定しております。
また、葉酸サプリは、食品よりも体内に吸収されやすいことから、摂取時は1日400µgの用量を守ることが大切です。
葉酸の過剰摂取による副作用の症状としては、食欲不振、吐き気、不眠症、むくみ、紅斑、かゆみ、呼吸障害、亜鉛の吸収率低下などがあり、酷い場合は、胎児の喘息リスクがあがるケースもあるといわれております。
さらに、妊娠後期(30∼34週)に、モノグルタミン酸型の葉酸を高用量補足(1日1000µg)すると、胎児の小児喘息のリスクが25%と高まるという報告もあります。
ただし、これは、妊娠後期に葉酸を摂取すると小児喘息のリスクが高まるということではありません。
葉酸サプリで1日400µgを摂取するように気を付けて、過剰に摂取しなければ、特に心配はないとされています。