葉酸が胎児に与える影響

■神経管閉鎖障害リスクの低減

妊娠中に葉酸の摂取が推奨される大きな理由は、「赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすため」ということです。

葉酸はDNAの合成に関わる栄養素で、これが不足すると、DNAがうまく合成できずに細胞分裂が失敗するリスクが高くなります。

特に、妊娠初期は、赤ちゃんの脳や脊髄へと発達する神経管が作られる大切な時期です。

もし、細胞分裂に失敗して神経管がふさがれてしまうと、下半身麻痺などの障害や、流産や死産の原因となってしまうこともあり得ます。

このため、時期においては、特に葉酸を意識して摂取することで、こうした神経管閉鎖障害のリスクをできるだけ回避することができるのです。

■成長を促す

妊娠中、お腹の中では赤ちゃんの細胞分裂が盛んに行われております。

葉酸は、こうした赤ちゃんの細胞分裂を促して健全な成長をサポートします。

もし、葉酸が不足していると、場合によっては赤ちゃんの発育不全を引き起こしかねませんので、妊娠中∼授乳中においても、積極的な摂取が求められるのです。

■ダウン症のリスクを低減させる

ダウン症とは、染色体異常によって引き起こされることから、葉酸の摂取がダウン症の予防に直接影響するとは言えません。

しかし、近年では、神経管閉鎖障害とダウン症の発症には関係があるのではないかとの研究結果もあります。

それによると、神経管閉鎖障害を持つ赤ちゃんを出産したことのある女性は、そうでない女性と比べて、ダウン症児を出産する確率が約5倍高くなるそうです。

このことから、葉酸がダウン症そのものを防ぐとは断言できませんが、葉酸を適切に摂取することで、ダウン症との関係が考えられる神経管閉鎖障害のリスクを減らすことはできると言えるかもしれません。

 

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